相続放棄・遺産相続・相続登記なら司法書士原田事務所・東京都・港区

遺産相続、相続放棄、相続に伴う所有権移転登記(相続登記・不動産の名義変更)手続をサポートします。

2006年08月18日

草葉の陰から何を思う

 世界で最初の株式会社は、 1602年に設立されたオランダの「東インド会社。」世界史で習いましたよね。では日本で最初の株式会社は何でしょう? 諸説色々あるようですが、日本史好きとしては、1863年結成の浪士結社、商社である「亀山社中」と思いたいところです。

 

日本史マニアの中でも特に人気の高い坂本竜馬が関与したとあって、有名な 「亀山社中」ですが、今日の日経新聞にこの「亀山社中」の記事が出ていました。

 

「未公開株(未公開株の過去ブログはこちら) の販売し、法人税法違反容疑で 中央区にある「亀山社中」他4社が告発されたようです。 よりにもよって悪さした人の中に坂本竜馬ファンがいたようで。。。草葉の陰から竜馬も呆れていると思います。

 

草葉の陰からといえば、今日もうひとつ気になるニュースがありました。

 

 

凍結精子認知訴訟」です。

 

夫が死亡した後、凍結保存された精子で体外受精した女性が、 出産した子を夫の子と認知するよう求めた訴訟の上告審弁論が今日ありました。科学の進歩もすごいけど、 死亡後の夫の子供を産もうと決断した奥さんもすごい。。。

 

科学技術の進歩が法の予定していなかった部分に、影響を及ぼすことは、 これに限らず色々と出てくると思います。法律という「ものさし」だけではなく倫理・宗教など様々な角度で、この問題を考えると、 これが正解とはいえないと思います。

  

認知を認めると、相続登記の実務にすごい影響があります。 仮に認められるとしても、ある一定の範囲でしか認めないとしないと、数百年前に死亡した人の子供なんてなってしまうと、 どれだけ影響があるかわかりません。ジュラシック・パークじゃないですけど、坂本竜馬の髪の毛から、 あるいはアダムの化石から子供が生まれる科学技術でもあった日には、想像もできませんね(笑)。

 

冗談はさておき、 草葉の陰からこの子の父親はどんな風に思っているのでしょうか? 

投稿者 harada : 15:27

2006年06月16日

事務所での服装

ジャパン・ ブルーがただのブルーになって2日目。日本代表のユニフォームを着て、 事務所で仕事しようと思っていましたが、仕事の効率がさらに↓↓↓なりそうなので、止めておきます。 日本全体がワールドカップで過熱していれば、ユニフォームでの仕事もやれると思っていましたが、今ユニフォーム姿はちょっと「ツライ」 ですね。

 

ちょっと事務所での服装について。私は事務所では、普段スーツ姿です。 スーツ姿といっても、スーツは脱いでますから、ワイシャツ姿で働いています。去年のクールビズあたりから、ネクタイをしない姿でも、 あまり非難されなくなったので、余程の場面でない限りは、ノーネクタイです。普段はそんな感じで働いていますが、休日出勤している時は、 当然ラフな格好です。

 

会社設立などの実務本の〆切も近づいていますので、 先週の土曜日は事務所に出ていました。お客と接客することもないので、黄色いアロハを着てリラックスして、執筆作業をしておりました。

 

そんな中、1本の電話が。

 

お話を聞くと、相続関係の話し合いで、 今事務所の近所に集まってらっしゃるようです。遠方から来られている方もいるようで、どうしても今日相談されたいとのことでした。

 

「ご相談にはのれますが、今日休日出勤で、無茶な私服なんですが。。。」 とお断りしようと思っていたら、「こちらも私服なので、構いません。」とのこと。近所にいらしたので、すぐお見えになりました。

 

無茶な私服と言ったものの、まさか黄色いアロハシャツを着ているとは、 想像されなかったようで、あった瞬間、微妙な空気が流れていました。「これから会社を設立します。」みたいな相談であれば、 百歩譲って黄色いアロハもありでしょうが、相談内容は、シビアな相続のお話。

 

深刻な顔をして説明しても、こちらは黄色いアロハ。 一体どれだけの説得力があったでしょうか?

面談が終わり、「今日は、こんなアロハで失礼しました。」と一言。 さすがに笑ってもらえました(笑)。

投稿者 harada : 18:27

2006年05月25日

だれでも取れる住民票

結局行く暇もなく愛知万博は終わってしまいましたが、マスコットだった『モリゾー』『キッコロ』の特別住民票交付サービスが愛知県瀬戸市役所で始まったそうです。自分の名前を入れられるこのサービスは、当然誰でも交付してもらえます。こんなほのぼのしたニュースと対極ではありますが、「戸籍法改正の要綱案をを法制審議会に諮問」というニュースがありました。

モリゾー&キッコロの住民票と違って、戸籍謄本は原則非公開となるようです。個人情報が保護される時代ですから、当然といえば、当然の改正です。今、我々司法書士は、職務上請求書なるものを使用すれば、他人の戸籍謄本を取得する事ができます。相続登記のお仕事では、戸籍を集める作業は欠かせませんから、この職務上請求書は重宝します。誰の戸籍謄本も取得できる便利な職務上請求書ではありますが、不正使用が問題となっています。

弁護士でも問題になっていましたが、司法書士でも大問題です。不正使用が発覚すると、弁護士も司法書士も、業務停止処分などになってしまいます。これだけの厳しい処分があるにもかかわらず、不正使用が発覚するのは残念でなりません。

今後ますます貴重になっていく個人情報、士業のプライドにかけても守っていかねばなりません。(←完璧優等生発言です(笑)。でも本音。)

投稿者 harada : 13:12

不仲の兄弟 その2

「なるほどね。」戸籍を見てようやく揉める理由がわかりました。兄弟二人の生年月日が同じだったんです。つまりは、双子。幼い頃から兄弟喧嘩しないように、着る服も一緒、食べるものも一緒、買ってもらうオモチャも一緒。ところが二人が住んでいた実家だけは仲良く半分に出来なかったのでしょう。なんとなく次男の「納得すべきだろうけど、納得できない」気持ちが分かったような気がしました。

双子の場合、今は早く産まれた方が兄となっていますが、昔は逆だった時代もあるようです。そもそも「どっちが本当の長男なの?」という区別は案外いいかげんなものなのかもしれません。

身の回りには、双子って結構いますよね。学校だと、だいたい1学年に1組ぐらいはいましたよね。現代では珍しくない双子ですが、日本史の中では、あまり登場してこないです。戦国武将で双子なんて皆無です。どうやら、家督相続で揉める前に悲しい手段が選択されていたようです。普通の双子も揉めるくらいですから、大名の跡取となると。。。それを考えると揉めるだけ、今はいい時代なのかもしれません。

投稿者 harada : 13:10

不仲の兄弟

支部長の仕事は手を抜けば楽だし、頑張れば苦しいという意味が少しずつ分かってきた今日この頃です。雑務で午前中つぶれてしまいました。

さて、今日は久しぶりに相続のお話。相続が発生し、法定相続分ではない割合で相続財産を分けることを遺産分割といいます。最近は法定相続の割合で分割することが多いような気がしますが、田舎では本家の土地建物は長男が取得するという分配の仕方もまだまだ多いようです。先祖代々の土地を売って、その代金を相続人で分け合う方法はこんな時代でも抵抗があるのでしょうね。

不公平な分け方なのかもしれませんが、「先祖代々の土地だし。」とか「長男だから.」とか「ここで裁判みたいなことをしたくないし。」など様々な理由で不公平だけど、お互いの納得する内容の分配に落ち着くことの方が多いようです。

もちろん中には「これじゃ納得できる訳がない。」となる場合もあります。先日兄弟2人なのに散々揉めているケースに遭遇しました。次男が一歩も譲らないのです。昔は一緒にカブト虫とか採りに行った兄弟なのでしょうが、こうも兄弟仲が悪くなるのか、ちょっと不思議でした。そんな時、戸籍を見ていて、次男の譲らない理由が分かりました。

つづく。

投稿者 harada : 13:09

2005年02月15日

楽勝ムード

今日中に申請、今日中に内容を確認、今日中に資料作成等などの「時間に追われる仕事」が多い司法書士の業務の中で、「相続登記」という仕事は独特のものがあります。

相続登記にはお亡くなりになった方の生まれたときからお亡くなりになるまでの戸籍が必要です。生まれたときからの戸籍が必要になるのは、もちろん相続人を確定するためです。(この戸籍集めの作業をしていると、相続人が知らない「隠し子」が見つかったりする事があります。)この戸籍集めは、1日中やらなければならない仕事ではありません。ある市役所に戸籍の請求をしては、次の市役所に請求するという繰り返しの作業です。郵送でやり取りしますから、ある役所に請求したら、その返事が来るまでは作業は一旦お休みです。

戸籍を集めきるまで、通常2~3週間かかりますので、時間に追われて苦しい思いをする事もありません。ゆったり構えられる仕事なので、割りと好きな業務です。それに相続人間に争いがなかったり、法定相続とおりの内容だと安心して仕事ができるというメリットもあります。

先日この好きな業務の典型である法定相続(実際は相続人は一人)という案件がありました。相続人は一人ですから、ややこしい話にもなりません。「楽勝、楽勝。」とすっかり油断していました。詳しく話を聞くとその唯一の相続人は「認知症の老人」でした。返事もできない状態だそうです。当然その老人から登記申請の委任を受けれる訳がありません。せっかくの楽勝ムードも吹っ飛び、苦労する業務に突入してしまいました(笑)。

投稿者 harada : 19:34 | トラックバック (0)

2005年01月13日

同時死亡の推定

この業務日誌をお読みの方であれば、誰が相続になるかという基本はもうお分かりだと思いますので、今日はちょっと特殊な例を考えてみます。

例 (家族構成 夫A、妻B、子供C。夫には母Dがいます。)
飛行機事故で同乗していた夫Aと子供Cが亡くなられた場合を考えてみましょう。

「ケース1」もしAがCより先に死亡すると、
原則通りAの相続人は妻Bと子供Cです。その後Cが死亡してしまうと、Cの相続人はBだけとなります。つまり全ての財産は妻であるBのものになります。

「ケース2」もしCがAより先に死亡すると、
これもまた原則通りです。Cの相続人は当然両親であるAとBです。その後Aが死亡したので、Aの相続人はBとD。Bが3分の2、Dが3分の1を取得します。めぼしい財産がAの不動産だけとなると嫁と姑の共有という結果になります。

たった1秒でもどちらかが早く死亡したことが判明している場合は、上記の結果になります。しかし飛行機事故などどちらが先に死亡したか不明な場合も起こり得ます。このような場合はどうなるのでしょうか?民法には同時死亡の推定(32条ノ2)というものがあり、どちらが先に死亡したか不明の場合は、同時死亡者相互で相続は発生しません。今の例では、皆さん「Cは幼い子供」をイメージしていたかもしれませんが、Cがかなりの資産家だとイメージしてもう一度考えてみて下さい。どちらが先か同時かで相当結果が変わってきます。

投稿者 harada : 20:19 | トラックバック (0)

2004年11月08日

被災地発行の戸籍

今日東京地方で地震がありました。ちょうどお客様がお見えになっていたので、「1階でこれだけ揺れるんであれば、震度3くらいはありますねえ。」と話をしていましたが、震源地はやはり新潟でした。新潟地方もこれだけ余震が続くと大変ですよね。不安な毎日を送られていると思いますが、復興に向けて頑張ってもらいたいと思います。

最近の相続登記の案件で、被相続人の戸籍を集めていました。相続登記には、基本的には生まれた時からお亡くなりになるまでの戸籍が必要になります。全ての戸籍が揃い、いよいよ登記申請できるという段階になったので、集めた戸籍をひとつひとつ確認していました。
「あれ?これは。。。」なんと集めた戸籍の中に今回の被災地の市区町村発行のものがありました。発行の日付は今回の地震の直前。今被災地に戸籍を請求してすぐに発行してもらえるかどうか分かりません。ちょっと不謹慎かもしれませんが、一歩遅れていたら、登記完了はずいぶん先になったのではと思いました。

うちの事務所の依頼者にとっては、良かったと思いましたが、被災地のことを考えるとそんなことばかり言ってられません。被災地発行の戸籍を見ながら、いろいろ考えてしまいました。

投稿者 harada : 23:07 | トラックバック (0)

2004年10月06日

この時期は相続登記が多くなります。

東京はすっかり秋らしくなってきました。朝はちょっと寒いぐらいです。季節の変わり目、体調に気を付けて下さい。

私の頃にはなかったのですが、この時期司法書士試験受験生のところに、自分の点数・順位が送られてきます。受験生から数点足りなかった等の報告がありました。択一があと1問正解していれば合格です。残念残念。ギリギリで不合格だと、あまりにもガックリしてしまって、中々来年の合格に向けての気持ちの切り替えが難しいようです。受かるべき年に合格しないと、モチベーションが維持できません。つらいところですけど、この時期からしっかりやるしかありません。つらいけど頑張って!!

今日は、遺言の話はちょっとお休み。季節の変わり目のこの時期、毎年相続登記の案件が多くなります。季節の変わり目でお亡くなりになる方が多いのも一因としてありますが、お盆で親戚が集まった時に「そろそろ土地の名義を変えようか?」という話が出たからという理由が多いようです。ちょっと涼しくなった今の時期に相続登記の手続を済ませたい人が多くなるんでしょうか?相続案件が多すぎて、誰が誰だか分からなくなります。混乱気味の今日この頃です(笑)。

投稿者 harada : 23:05 | トラックバック (0)

2004年05月25日

相続放棄のトバッチリ

ちょっと昨日のつづき。相続財産の内訳で負債が多い場合は、相続放棄という手がありますよ。ってのが昨日の話です。確かに相続放棄すれば、とりあえずあなたは大丈夫ですが、トバッチリを受ける人が出てきます。
例えば父、母、子供であるあなたの3人の家庭で、お父さんが亡くなると、相続人は奥さん(母)、あなたの2人となります。お父さんが借金まみれだと、相続人である母とあなたは相続放棄して、難を逃れる事ができます。そうするとこのお父さんの相続人はお父さんのお父さん(あなたのおじいちゃん)とお母さん(おばあちゃん)になります。高齢で祖父母が既にお亡くなりになっていると、相続人は父の兄弟姉妹(あなたのおじさんやおばさん)になります。おじさん・おばさんが既に亡くなられていると、その子供(あなたのいとこ)が相続人になってしまいます。いとこからすると、あなたがいる訳ですから、まさかあなたのお父さんの相続人になるなんて考えた事もないと思います。でも第一時的な相続人が相続放棄してしまうと、第二・第三順位の相続人に相続権が回ってきます。
借金を背負いたくないのであれば、次々に相続放棄しなければなりません。先程の案件で相続人がいなくなったらどうなるのでしょうか?借金を背負ってくれる人がいなくなってしまいますから、借金取りは諦めるしかなくなります。
場合によっては、相続財産管理人や特別縁故者が登場する事もありますが、上の説明を理解してもらえば、十分です。
ちなみに、プラスの財産があるのに、相続人がいないとどうなるかというと、国庫に帰属します。(例外は上記特別縁故者等)

投稿者 harada : 23:04 | トラックバック (0)

2004年05月24日

相続放棄

休日ずっと寝たきり状態でした(笑)。土曜日なんかは「起きたら夕方。」でした。相当疲れが溜まっていたようです。しかしおかげで元気を取り戻しました。今週もよろしく。

と、なんとなく復活したところで、今日は相続放棄のお話。
「あなたは相続人です。」と聞くと大抵はいい話です。まして自分の知らない人の相続人となると、まさに『笑う相続人(既出)』です。でもなかなか笑ってばかりはいられないケースもあるようです。
お亡くなりになる方は皆さんプラスの財産を持ってる方ばかりではありません。借金まみれでお亡くなりになる方だっています。よくある悪徳金融マンガだと、「おまえのおやじの借金、当然おまえに払ってもらうからな。」なんて事をいう借金の取立て屋が出てきそうです。
基本的には、相続人は被相続人(死んだ人)の財産を引き継ぎます。この財産には当然プラスもマイナスも合わせて相続します。ですから、マンガに出てくる台詞もあながち間違いではありません。しかし財産を調べてみると断然負債のほうが多い場合は、相続開始したのを知ったときから3ヶ月であれば、相続放棄ができます。3ヶ月の猶予期間は、その間に財産を調べて、相続するか放棄するか決めなさいという期間です。
実際に放棄する事になったら、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に放棄の申述書を提出すればOKです。
「おまえのおやじの借金、当然おまえに払ってもらうからな。」と言われても慌てず、相続放棄して下さい。

投稿者 harada : 23:03 | トラックバック (0)

2004年04月20日

お金があっても困ることはない。

平凡なワンパターンの仕事ばかりだと飽きてしまいます。しかし、複雑な案件だと刺激はありますが、仕事はキツイです。
以前うちのひいおじいちゃんの相続登記をしていない土地のお話をしましたが、今それに似た案件をやっています。うちのひいおじいちゃんは、相続人同士が知り合いで、それゆえに遺産分割が難しいとお話しました。
今回のは、相続人同士がお付き合いが全くないケースです。当然親戚付き合いもありませんから、お亡くなりになった方すらご存知ないようです。とはいえお金があって困る人はあまりいませんから、いざ自分が相続人と分かると人間欲が出てしまうようです。相続人の数もかなりいらっしゃいます。どれだけの相続人が自分の権利を主張されるのか想像もできません。話し合いがうまくまとまれば、登記もすぐ完了しますが、どれだけ時間がかかるかまったくこれも想像不可能です。中心になって頑張ってらっしゃる方がおりますが、相続人は全国各地に散らばっています。今年中になんとか終了したいと願っております。
でも厳しいだろうなあ。。。

ちょっと☆☆業務連絡☆☆
明日(4月21日)は特別研修の関係で東京簡易裁判所に午後ずっと行っております。(夕方には戻ります。)お急ぎの方はメールではなく、事務所にお電話にてご連絡下さい。

投稿者 harada : 23:02 | トラックバック (0)

2004年03月10日

非嫡出子

世間では戸籍続柄での非嫡出子区別が議論されているようです。そこで今日は「非嫡出子」のお話。一般の方には、この「非嫡出子」という言葉は、あまり馴染みのないものだと思います。実際私もこの業界に入るまで、他人の戸籍を見る機会はほとんどありませんでしたし、自分の戸籍もマジマジと見たこともありませんでした。普段戸籍をあまり見ない一般の方は、「非嫡出子」なんて知らないですよね。(昔中学校の公民の授業で多少習った記憶はありますが。)この「非嫡出子」は「嫡出子」の反対の意味があります。要は法律上婚姻した夫婦の子(嫡出子)じゃない場合が「非嫡出子」です。区別されていると問題になっていますが、実際は民法上も戸籍法上も明らかに区別されています。民法では、法定相続分も「非嫡出子」は「嫡出子」の2分の1とされていますし(民900条)、戸籍法では嫡出または嫡出でない子の別を戸籍に記載することとなっています。(戸49条)この業界に入って他人様の戸籍を見るようになってからは、この「非嫡出子」に遭遇する事も多くなりました。戸籍を見れば確かに一目瞭然ですが、別にこの区別がなくても、我々には解ります。今後この区別をなくす方向のようですが、だからといって仕事で困ることはありません。でも「非嫡出子」の記載があって仕事で困ることもあります。大抵は相続で揉めるんです。例えば、遺産分割協議が未了の状態で、戸籍の調査をしていて、この「非嫡出子」を見つけると、「この遺産分割揉めないかな?」と思ってしまいます。過去に冷遇され(一概にはそうとも言えませんが、多くは)、法定相続分もご丁寧に2分の1。それじゃあ分割協議書にハンコ押してくれないですよね。いい方向での法改正になるといいですね。(←ちょっと優等生発言)

投稿者 harada : 23:01 | トラックバック (0)

2004年03月02日

負の遺産 その3

身内の不始末ということだから、報酬なしでやってあげたいところですけど、ハンコをもらうべきの人々の顔を思い出すと、躊躇してしまいます。でも、ここで私がやらないと更に相続人は増えていきます。次の世代になると相続人が何人になるか見当もつきません。「相続登記はお早めに!なんて自分の日誌に書いておきながら、自分のところは登記しないのか!!」とお叱りを受けそうな話ですが、実際当事者になると厳しいです。
田舎の安い土地に、高いコスト・煩雑な手間をかけて登記するのは、大変ですが、何もしないと次の世代へさらに高いコスト・煩雑な手間をバトンタッチしていく事になります。
(最終的には任意団体を法人化し、時効取得させるという荒業しか残らなくなってしまいます。)
北海道であった原野商法詐欺なども田舎の小さな土地です。コストをかけて相続人が登記するメリットは見当たりません。ちゃんと調べると全国各地にこのようなケースはいっぱいあると思います。
次の世代にある意味「負の遺産」を残さないように、しっかり今の世代で解決したいところです。
「ひいおじいちゃん」の件は、かなり大変な作業になると思いますが、人肌脱いで頑張りたいと思います。。。

投稿者 harada : 22:40 | トラックバック (0)

2004年03月01日

負の遺産 その2

先週のつづき。(認可地縁団体の事は考えないで下さい。)

「あっちゃー。。。」私は頭を抱えてしまいました。昭和6年当時、ひいおじいちゃんは、この任意団体の代表者だったようです。代々代表者が死亡する前に若い世代名義へ登記すべきところ、たぶん戦争のドタバタで忘れ去られていたようです。
もちろん所有者である「ひいおじいちゃん」は、私が生まれるずいぶん前に亡くなっています。新代表者に変更する登記は、「ひいおじいちゃん」の相続人全員が協力しないと登記できません。
ご存知の通り、昔は子供が6・7人いてもおかしくない時代です。うちの親の世代(「ひいおじいちゃん」から見た孫)も7人兄弟です。「ひいおじいちゃん」の子供(つまり私のおじいちゃん)もずいぶん前に亡くなっています。またそのおじいちゃんの子供(私のおじ・おば)も何人かは亡くなっています。(相続人である子供が死亡していると、その子供・孫が代襲相続人となります。)
したがって、ねずみ算式に相続人が増えており、相続人確定のための戸籍等を集めるのも大変です。またおじいちゃんが亡くなった時に、遺産相続で相当もめた話を親に聞いているので、簡単にハンコももらえそうにありません(泣)。かなり大変な相続でも、赤の他人であれば、事務的に「ここに押印して下さい。」と淡々と作業を進められるのですが、身内となると、かなり厳しいです。報酬もかなり高額になりそうですし、小さな団体にはその予算もなさそうです。

つづく

投稿者 harada : 22:38 | トラックバック (0)

2004年02月27日

負の遺産 その1

昨日の中間法人の話で、法人化のメリットについての説明が少し足りなかったなあと思っていたところ、今日それに関連する話がありました。

私の実家は宮崎です。実家の近くに小さい公民館があります。市民会館などと違って小さな地域の公民館です。(ちなみに小学校の頃、そこの敷地でラジオ体操などをしていました。)この公民館の建物・敷地の他に、お米を精米する精米所の施設など地域の人々が使う施設や土地がいくつかあります。これらの不動産の所有者は実質的にはこの小さい地域の人々の共有財産です。昨日説明した同窓会のように、この小さな地域の財産を管理する団体には、法人格がありません。(もちろん中間法人を設立すれば別ですが)。
不動産登記法では、法人格のない任意団体名での登記はできないことになっており、仕方ないので、その任意団体の代表者名義で代々登記してあります。
この代表者が死亡し、相続が発生してしまうと、その代表者の相続人全員が登記手続に協力しなくてはならなくなります。(印鑑証明書を準備したり、実印を押印したり)
そこで今回その代表者が高齢になってきたこともあり、相続が発生する前にこの不動産の名義を若い代表者に変更しようという話がありました。
いくつかの土地の登記簿謄本を取得し、内容を確認していると、その登記簿謄本に見覚えのある住所が記載してありました。なんと実家の住所です。驚いて所有者の名前を見るとそこには私の「ひいおじいちゃん」の名前がありました。
つづく。

投稿者 harada : 22:35 | トラックバック (0)

2004年02月22日

遺産分割協議書

やっと金曜日です。なんか今週は港支部の仕事ばっかりやっていました。おかげさまで仕事が山積みです(苦)。
今日は遺産分割協議書のお話。相続が発生しても、必ず決められた法定相続分(相続人が配偶者と子供2人の場合は配偶者2分の1、子供が4分の1ずつ)で遺産を分けなければいけない訳ではありません。法定相続分と異なる内容の遺産分割に相続人全員が同意すれば、それはそれで有効です。そしてこの遺産分割協議が整うと遺産分割協議書を作成し、相続人全員が実印で押印します。
相続のご相談で来所頂くお客様の中には、この実印を既に押印した遺産分割協議書をお持ちの方がいらっしゃいます。ご自分で作成されたのか、何かの本を参考にして作成された分割協議書は、そのまま登記に使えないことが良くあります。せっかく相続人が集まって(場合によっては遠方から)、実印で押印しているのに、再度作成し直さなければなりません。
相続が発生してすぐであれば、「このままでは登記できないそうだから、再度作成し直したこの協議書に押印してくれ。」と言えばすみます。しかし数十年前に協議書を作成し、登記しないで放置していたようなケースですと、押印した相続人が既に死亡していたりしますので、大変です。協議書作成後に死亡した相続人の相続人(ちょっとややこしい)を新たな遺産分割協議に参加させなければなりません。そうなると昔相続人間で合意していた内容で協議がまとまらなくなる可能性も出てきます。
相続の場合は、登記をしないで放置しているケースも良くありますが、いざ登記しようとなった時に登記できなくなってしまう可能性もあります。そんな事のないように相続登記はお早めに!

投稿者 harada : 22:33 | トラックバック (0)

2003年12月18日

お通夜にて

2日連続で休んでしまいました。休んでしまった言い訳ではありませんが、知人のお父さんがお亡くなりになり、おとといお通夜に行ってきました。
最近行ったお通夜はどれも司法書士会関係のもので、列席者に司法書士が沢山いました。しかし今回は列席者の中で司法書士は私一人だったので、変な事を考えてしまいました。お通夜ですから、どなたかがお亡くなりになってます。当然相続が発生します。その財産の中に不動産があると、相続登記をしなくてはいけなくなります。そうなると、列席者に司法書士が私一人ですから、私がその相続登記をする事になります。
お悔やみを申し上げながら、仕事をもらいに行ってるような変な気分です。
自分の中ではお通夜に行くという純粋な行動なんですけど、相続人が、私の顔を見て急に遺産分割の事を思い出されたりすると、やはり複雑です。その点出席者に司法書士が大勢いる司法書士会からみのお通夜のほうが気が楽なのかもしれません。
場合によっては、遺言執行者としてお通夜に行く事もあると思います。遺言の内容によっては相続人の仇になるので、そんなケースよりはいいのかもしれません。

投稿者 harada : 22:31 | トラックバック (0)

2003年11月18日

読書の秋

読書の秋です。皆さん本は読まれてますか?私も読むには読むんですが、ものすごく狭い時代(戦国時代のみ)の歴史小説ばかりです。
今日はちょっと遠方のお客様のところに行きました。電車で移動したのですが、悲しい習性で「ネタないかなあ。」とキョロキョロしておりました。最近は電車の中では、本を読んでいる人より、携帯のメールに夢中の人が多いような気がします。真新しい携帯をうれしそうに見ているおじさんがいました。ふとそのおじさんの隣りを見るとまだ若い女性が本を読んでいました。ブックカバーをしてなかったので、何を読んでいるんだろう?と本のタイトルに目をやると『家族が自殺に追い込まれるとき』でした(汗)。せめてそんな本を読むときぐらいは、ブックカバーをしてくれればいいのに。とか思いながら、電車に揺られていました。

以前自殺した方の遺書の話を書きましたが、我々の司法書士の仕事は、相続登記があったり、成年後見があったりしますから、普通の方より人間の死を身近に感じています。お客様にも「ああ、相続登記ですね。」とか「これが遺言ですね。」とか淡々と事務手続を進めてしまってます。相続が発生(←この言い方がまさに事務的。)して我々に依頼するまで、結構時間が空くものなんですが、たまに相続発生後すぐに依頼があったりすると、事務的な私でさえ「よくこんなすぐに依頼できるな。」と相続人の顔をじっと見てしまったりします。相続人の中には、この業界でいう『笑う相続人』(以前ご説明した)もいるぐらいですから、仕方ないのかもしれませんね。

投稿者 harada : 22:29 | トラックバック (0)

2003年06月06日

笑う相続人

「笑う相続人」という言葉を聞いたことありますか?
子供のいない夫婦で夫が死亡すると、相続人は奥さんと直系尊属(おじいちゃん・おばあちゃん)になります。夫が高齢の場合、直系尊属はすでに死亡していることが多いので、その場合は夫の兄弟姉妹が相続人になります。さらにこの兄弟姉妹が死亡していると甥・姪が代襲して相続人となります。
しかしここで困ったことが起こります。例えば
1.夫のお兄さん(義兄)が若い時に結婚
2.子供が生まれた後、離婚。
3.子供は義兄の別れた前妻が引き取る
4.その後義兄が再婚し、また子供ができた
5.その後奥さんが夫と結婚
こんなケースだと奥さんは義兄が過去に離婚したことすら知らないことが多いですし、義兄の前妻との間に子供がいることも夫の親族から知らされないままということがある訳です。
逆に義兄の前妻との間の子供(甥・姪)からすると生まれてから一度も会ったことのない、場合によってはその存在すら知らない人の相続人になってしまうのです。死亡した人を知らず、葬式があったことも知らず、ある日突然あなたが相続人です。と連絡があるのです。
このような相続人を業界では「笑う相続人」と呼びます。
唯一の財産が奥さんの居住している建物(夫名義)だけだと、場合によっては奥さんと笑う相続人の共有財産になってしまいます。子供のいない夫婦間の相続ではこんなことがありますので、やっぱり遺言を作成するに限りますね。

投稿者 harada : 22:26 | トラックバック (0)

2003年04月07日

古い戸籍

今日は相続登記の話です。
被相続人に子供(直系卑属)がいない場合は直系尊属、直系尊属もいない場合は兄弟姉妹が相続人になります。この場合直系尊属が死亡している戸籍(めちゃめちゃ古いです。)も必要になります。
「文久」「慶応」あたりをはじめとして、生年月日が「文化」だの「安政」だの昔日本史でならった年号が戸籍に出てきます。文化(1804-1818)あたりが限界になるんでしょうか?私は個人的に日本史が好きなほうですから、「おっ、文化だ。」とか一人で感心しながら戸籍を見ますけれど、他の人には全く興味ないところのようです。「安政の大獄はねえ。。。」とつぶやいても回りがだれも反応してくれないのはちょっと寂しいですね(笑)。ご先祖様が偉い人の相続登記なんかやったりする日は来るんでしょうか?あったら仕事になんないでしょうけど(笑)。

【登記一口メモ】相続人とは・・・ある人(被相続人)に相続が開始した場合、誰が相続人となるかは、民法上、次のように規定されています。
第一順位 直系卑属
※直系卑属とは、被相続人の子、孫、曾孫等です。
第二順位 直系尊属
※直系尊属とは、被相続人の父母、祖父母、曾祖父母です。
第三順位 兄弟姉妹
となっています。配偶者はもちろん相続人です。

投稿者 harada : 22:24 | トラックバック (0)

2003年04月02日

贈与税

今日事務所に来たお客で、贈与税が発生しそうな案件がありました。
登記完了後に「こんな贈与税くるなんて知らなかった。」と文句言われても困るので、「贈与税大丈夫ですか?税理士に相談しましたか?」と聞いたところ、「私税理士です。」とキッパリ言われました(笑)。
今後、「すみません、今名刺切らせてまして○○です。」というお客には気を付けます。
まあ中には名刺がなくても、すぐ職業がわかる人もいらっしゃいますけど。(←どんな方かわかりますか(笑)?)
今日はこれから東京司法書士会港支部の総会があるのでこれで勘弁して下さい。

投稿者 harada : 22:21 | トラックバック (0)


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