« 司法書士ドットコム その2 | メイン | ブログも4年目に突入 »
2006年03月13日
司法書士ドットコム その3
司法書士ドットコムのつづき。司法書士の匿名見積もりサービスについて。
「だいたいいくら?」との質問に、「概算で10万円です。」と答えるとします。 人間1度「だいたい10万円。でも正確にはわかりません。」と説明されると、その後、「正確に計算すると15万円でした。」と言われた場合、 「え?高い。聞いた話と違う。」なんて思ってしまうものです。だからといって、ネット上の希薄な繋がりですから、始めから大目に、 余裕をもって、「15万円」と答えてしまっては、見向きもされません。
見積もる上で、重要な不動産の個数も、トラブルの元。 「不動産はマンション1部屋です。」といわれても、底地が何筆あるかも登記簿謄本がなければ、正確な数字は出せません。 神奈川のある物件のように底地62筆なんていう強烈なものもありますから、「底地が1筆だとすると、 概算で10万円です。」と回答し、受託した後に、「底地がかなりありましたから、正確な見積もりは20万円です。」 と誠意を持って説明しても、相手には不満しか残りません。
通常の売買などの不動産の名義変更ですら、そんな状態ですから、 ケース1の場合のような相続の場合は、さらに複雑です。「法定相続か遺産分割か?」「相続人は何人か?」「数次相続かそうじゃないのか」 などなど。そもそも相続人1人と50人では、その手間たるや雲泥の差です。 戸籍が5通必要なのか50通必要なのかで報酬が違ってくるのは当たり前です。
相続登記もいろんなパターン、いろいろな落とし穴がありますから(ちなみに、 今現在もディープな案件で苦しんでいます。。。この話は後日。)、概算でいくらとは、正直答えにくい案件が多くなります。 ほぼ仕事が完了する段階でなければ、正確に費用を説明することができないのが、この司法書士の見積もりの難しいところです。
ところで、お客にしてみれば、安ければ安い事務所がいいんでしょうか?
①新人司法書士一人だけの事務所
②司法書士のベテラン補助者が全ての作業をする事務所
③司法書士の補助者が作業をし、 司法書士が確認する事務所
④複数のスタッフ、 複数の司法書士が万全の体制で臨む事務所
ちゃんと考えれば、①より④が人件費がかさむ分、高い費用になって当然です。 処理能力・処理速度は④がいいに決まってます。同じ土俵で登記費用だけ比較されても困ってしまいます。 でもこんな舞台裏事情はお客は知る由もありません。見積もりを求めるお客の大半は、安けりゃ安いほどいいんです(笑)。 ちょっと不満だらけの文面ですが、もう少しお付き合い下さい。
つづく。
投稿者 harada : 2006年03月13日 14:05
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://shihoushoshi.main.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/580