ひよっこ支部長の司法書士ブログ  by 司法書士法人ファルコ

東京都港区の司法書士原田正誉のブログ 会社設立、新会社法対応、遺産相続登記、抵当権抹消手続等の司法書士事務所の仕事をブログでご紹介

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2004年10月01日

悲惨な結末

昨日は失礼しました。では悲惨な結末のつづきです。 旦那さんが亡くなって葬儀がありました。兄弟の仲が悪かったり、疎遠になっていたりしていたようで、この葬儀に出席しない兄弟や甥姪もいたようです。(子供がいないと兄弟や甥姪が相続人になる事を知らない人もいますから、相続人だから必ず葬儀に出席するとは限りません。) 葬儀が終わって、いよいよ土地建物を奥さんの名義に変更しようとしたところ、司法書士に葬式にもこなかった兄弟や甥姪も夫の相続人だと聞かされます。遺産分割協議書に実印を押してもらわなければならないようです。この相続人である兄弟や甥姪が金銭的に非常に苦しい状況でなければ、すぐに押印してもらえたかもしれません。 そこで奥さんは、恐る恐るこれらの相続人に連絡してみました。すると、「え~、私が相続人?それで財産はどれくらいあるの?私の取り分は?」とお悔やみの言葉もなく、次々と質問されました。 たまたま住んでいた所が都心の一等地だったため、不動産の評価は1億円でした。兄弟の取り分はその4分の1です。計算の上では、生きてる兄弟3人に、それぞれ500万円、4人の甥姪に250万円ずつ、合計2500万円渡さなければなりません。もちろんめぼしい財産は不動産のみです。当然2500万円の現金を用意する事ができません。 結局奥さんは、旦那さんとずっと住んでいた家を泣く泣く手放し、葬儀に来なかった人達に2500万円渡しました。お金に困っていた兄弟達は大喜びです。 兄弟姉妹には遺留分(遺言しても、相続人に最低残しておかなければならない部分)がありません。旦那さんが「全財産を妻に相続させる。」と遺言があれば、こんな薄情な兄弟達には1円もあげなくて済んだのです。 奥さんの事を考えるなら、遺言を作成すべきですが、あえて旦那は遺言を作成しなかったのかもしれません(笑)。今となっては確認のしようがありません。死人に口なしです。

投稿者 harada : 2004年10月01日 18:27

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