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2004年03月30日

土地管轄

いよいよ今日からグループ研修が始まります。チューターの名に恥じないようにちょっと予習しました。そんな中で見つけた今日のネタは、「土地管轄」。
例えばAさん(住所:東京)がBさん(住所:福岡)にお金を貸しました。Cさん(住所:大阪)がBさんの連帯保証人になりました。その後Bさんがお金を返してくれないので、Aさんは裁判をする事になりました。さてどこの裁判所に訴えればいいのでしょう??

民事訴訟法に、その説明があります。原則は被告の住所地です。(民訴第4条)(例でいくとBの住所である福岡の裁判所です。)これに加えて民訴第5条に財産権上の訴えについては義務履行地でもいいことになっています。金銭消費貸借契約における債務は持参債務(民484条)なので、原告Aの住所地である東京でもいいことになります。またAさんが保証人であるCさんも併せて訴える場合は大阪でもいいことになります。裁判は原告の主導で始まりますから、原告または原告の訴訟代理人が便利な裁判所に訴えるのが通常です。わざわざ飛行機代を負担して福岡まで行くお人好しはいません(笑)。逆に言うと、被告は受け身ですから、移送(裁判所の管轄が変更されること)されない限りは、交通費を負担してはるばる東京に出てこなくてはいけないのです。
この手の裁判の相談を受ける時に「にやっ。」となるのが、相手が遠方の時です。もともと簡易裁判所の案件ですから、訴額も大きくありません。相手方が遠方の場合は、わざわざ飛行機に乗って裁判所に出てきません。裁判を欠席すると裁判に負けてしまいます(例外あり)から、訴額と相手住所を聞いた所で、裁判に勝ったも同然となるケースがあるのです。こんな時はどうしても「にやっ。」としてしまいます。

細かく言えば例外がいろいろありますが、一応一般の方に理解してもらえる内容にしました。

投稿者 harada : 2004年03月30日 21:07

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