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2005年03月14日
ポイズンビル
連日テレビでホリエモンを見ない日がない今日この頃です。この騒動のお蔭かどうかはわかりませんが、ニレコが買収防衛策を採用するそうです。米国ではかなりの企業が採用しているポイズンピルという手法です。この手の防衛策には、このポイズンピルを始め、ゴールデンパラシュート、ホワイトナイトなどの方法がありますが、いずれも米国産。適格な日本語がないようです。ポイズンビルはそのまま毒薬条項という物騒な日本語になっています。
具体的には、新株予約権を利用した方法なのですが、持ち株比率が2割(ニレコの場合)を超える買収者が現れると、今年の3月31日時点の全株主に対して、その所有の1株に対し2株を無償で交付する手法です。とはいえ買収者の中には、企業価値を高めるケースもありますから、その場合は取締役会でその新株予約権を消却する段取りです。企業価値が実際高まるかどうかは、今回の一連の騒動を見てもらえば、お分かりになると思いますが、判断が非常に微妙で難しい部分です。
今後色々な企業が、様々な手法を導入して行きそうな状況ですが、どうなりますやら。
2005年03月10日
株主名簿の名義書換に応じない?!
ライブドアが取得した株式の内、一部(立会外取引で取得した部分)についてニッポン放送側は株主名簿の名義書換に応じないと発表したようです。仮処分の結果が出る前に、名義書換に応じると、「立会外取引によって取得した行為は違法だ。」という主張と矛盾が生じるからと考えられなくはありませんが、感覚的には「ありえない。」気がします。
株主名簿の名義書換は株主は誰?議決権を持っているのは誰?という問題を解消するためであり、第三者対抗要件を具備させるためです。会社側が権利者を特定するために、従来は株主名簿の閉鎖期間というものが設けられていました。現実に公開会社でこの制度を利用している会社はほとんどなかったですし、非公開会社では株式が頻繁に流通することもありませんから、基準日で運用されるのがほとんどでした。平成16年の改正で株券不発行制度も取られましたから、長期間対抗要件を具備させない株主名簿の閉鎖は意味のないものとなって廃止されたのです。
現実的な運用は基準日でなされていたと思いますが、中小企業の定款には、この株主名簿の閉鎖の文言がしっかり入っていると思われます。そろそろ株主総会の時期です。もし自分の会社の定款に株主名簿の閉鎖の文言がある場合は定款変更するのをお忘れなく。
2005年03月02日
ライブドアの株式取得の経緯 つづき
昨日は失礼しました。おとといのつづき。
大学4年で履修した法哲学は、内定が決まった学生達には脅威でした。そもそも難しい上、採点も非常に厳しかったからです。かなりの割合の学生が追試を受けていました。せっかく内定をもらっても、留年してしまってはどうしようもありません。当時の就職が決まった4年生は、かなり前から法哲学のみの試験勉強をしていました。私も例外ではなく、そんな学生の一人でした。
そんな勉強の中で、法と道徳についての説明があったと記憶しています。「他人に迷惑をかけない。」「なにかの好意に対してはきちんとお礼をする。」これらの道徳は一般人のだれもが共通して持つ認識です。この広い道徳の中に「法」が存在する。といったような事が、法哲学の教科書の中に書いてあったと思います。他人には迷惑をかけないという道徳(決まり)をより狭めたもの、例えば「他人を殺してはいけない。」は人が決めた「法」という縛りとなる訳です。
話をライブドアの株式取得の経緯(立会外取引)に戻します。立会外取引という手法は決して誉められるものではありませんが、上記の法哲学の定義によると、広い道徳と狭い法の中間にあるものです。道徳的にはどうなの?という非難を浴びても、狭い「法」を擦りぬける手法ですから、すぐに違法とも言えない気がします。あらゆる分野への影響も大きい問題ですから、正当な判断がなされる事を期待したいと思います。